おもしろ箱水族館・生物多様性の世界
小さく分けられた展示が、綺麗にいくつも並べられています!
こちらには100種類ほどの水生昆虫、両生類やメダカ、48種類の冬虫夏草を展示しています。
ひとつの箱に2種類を基本とし、県内のゲンゴロウを展示しています。
国内にはゲンゴロウが150種類位おり、そのうち福島県には51種類。全体の約3分の1が生息しているとのこと。
この数は都道府県別にいうと5番目に多く、福島には海から山まで多様な環境があるからだそう。改めて福島の自然の豊かさを感じます。
こちらはコツブゲンゴロウ。
ゲンゴロウって大きい虫なのかと思っていたのですが、ほとんどこれくらい小さいそうで、大きい種類は少ないそうです。
川で見ても見逃してしまいそうなサイズです。
食品としての虫として、タガメとゲンゴロウ・ガムシが展示してあります。
タガメはタイでは高級食材として扱われるそうですが、日本でも昔は食べていたんですね。
こちらは県内のカエルが11種類、ウシガエルは特定外来種コーナーで展示されています。
隣にはメダカ(キタノメダカ、ミナミメダカ)も展示されています。
カジカガエルが隅っこにくっついていました。
蛙は冬になると冬眠してしまうため、冬は冬眠の展示として窓を開けるとその様子が見られるようなレイアウトに工夫されているとのこと。
実はこの施設は冷暖房がないので冬はかなり寒くなってしまうそうなのですが、そこを逆手に取って展示に生かしているそうです。考えられていますね。
夏は涼しいそうですが冬は水槽にうっすら氷が張るほど寒くなるそうなので、暖かい格好で来てください。スキーウェアで来てもいいくらいだそうです。
国内初展示「オウサマゲンゴロウモドキ」
こちらはヨーロッパにいる世界で一番大きなゲンゴロウだそうで、国内初展示!
20匹くらい入っているそうです。
幼虫はトビケラという餌しか食べない変わった食性があり、その餌のトビケラは飼育員自ら捕まえにいかなければいけないなど、なかなか苦労も多く試行錯誤を繰り返しながら飼育を行なっているそう。
いました!これは確かに大きい!
先ほどまで見ていた小さなゲンゴロウとは次元が違うサイズです!
このオウサマゲンゴロウモドキはもともと標本でしか入手できないような生き物だったそうで、展示を始めた際には、ぜひ生きている姿を見たいという人が沖縄や関西など遠方からも訪れたそう。
現在国内では3館でしか展示されていない、非常に珍しい種類です。
新種!ヒラサワツブゲンゴロウ
そして、こちらが館内を案内してくださった「龍蝨道士 飼育員H」こと、平澤さんが発見した新種のゲンゴロウ「ヒラサワツブゲンゴロウ」です!
「ツブ」という名前がついているだけあって、とても小さいです!
このゲンゴロウは、平澤さんが平伏沼の水生生物の観察会に水生昆虫の講師として呼ばれて行った際に見つけたそう。
学名の「hebusuensis」は、模式産地の平伏沼にちなみ、和名の「ヒラサワ」は、発見のきっかけとなる生体を採集した平澤さんに献名されたものだそうです!
好きな生き物であるゲンゴロウの新種を発見して、自分の名前が付くなんてすごいですね!
どこにいるか分かるでしょうか?
ここです!水草の間で止まっています。
じっと見ているとどんどん興味が湧いてきます。
冬虫夏草
そしてこちらは冬虫夏草の展示。
虫から生えるキノコの仲間で、世界中で約500種類が確認されているそうですが、そのうち国内では400種類、福島県では130種類ほどが確認されているそう。
こちらでは福島県で確認されているうちの48種類を展示しています。
冬虫夏草を知ってはいましたが、見るのは初めてでした。
カメムシタケ、こちらは素人でも比較的見つけやすいそう。
冬虫夏草の展示は、意外にも年配の方々に好評だそう。
他ではなかなか見る機会もありませんし、好評な理由がわかる気がします。
こちらは南西諸島の種類などを集めた比較的大型のゲンゴロウの展示。
なかには新型コロナウイルス感染症の影響で、学校で希少種の累代飼育の継続が危ぶまれ、緊急避難としてこちらでも累代飼育のお手伝いをしているものもあるそうです。
帰りは売店でお土産を
展示を楽しんだあとは、気になるお土産を探してみてはいかがでしょうか。
見る前と見た後では、グッズの目に写り方が変わっているかも知れません。
今回、館内を案内してくださったゲンゴロウ先生こと平澤さんの本も販売されています。
なんと、平澤さんのサイン入りです!
あれだけゲンゴロウを見た後だと、ゲンゴロウグッズがつい気になってしまいます。
こちらは「ヒラサワツブゲンゴロウ」のマグネット。
そんなに変わらないサイズにも関わらず、(大)(中)(小)のサイズに分かれています。
渋いですね。
「ツブ感」を味わうため、迷わず(小)を購入しました。
サンショウウオのストラップも一緒です。
サンショウウオはデスクの上に、ヒラサワツブゲンゴロウは書類棚にそれぞれ配置しました。
ゲンゴロウマグネットは「①」と表記されており、平澤さんの目論見がチラリと見えます。
カワセミ水族館ならではの展示が楽しめます
カワウソやカワセミだけじゃない、植物、魚、哺乳類、鳥、虫。たくさんのゲンゴロウや冬虫夏草。
ただ生き物を見るだけではなく、生態や生息する自然についても知ることで感じられることがあります。
海の水族館とはひと味もふた味も違う、多様性に富んだ水辺の生き物について学べる、カワセミ水族館ならではの展示をぜひご覧になってみてください!
水族館に訪れた際には、敷地内にある美味しいニジマスの唐揚げが食べられる釣り堀「釣り体験コーナー」もオススメです!
インフォメーション
名称 | アクアマリンいなわしろカワセミ水族館 |
住所 | 福島県耶麻郡猪苗代町大字長田字東中丸3447-4 |
開館時間 | 通常期 9:30~17:00(3月1日~10月31日) 冬季 9:30~16:00(11月1日~2月28日) ※最終入館は閉館時間の30分前まで |
定休日 | 年中無休 |
駐車場 | 80台 無料 |
電話番号 | 0242-72-1135 |
HP | www.aquamarine.or.jp/kawasemi/ |
※記事作成時点の情報です。営業時間や料金等変更の場合があります。
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